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記録日:2015/05/28
更新日:2016/06/11
ワシントン条約
【アカサンゴと言えども、その色に濃淡あり】
土佐沖で取れたアカサンゴ
● 解説
生物学的に「アカサンゴ(Corallium japonicum)」と呼ばれているものは、その産地や原木のポリプ(触手)、成長過程の骨片の大きさと形状、見た目の色彩によるものだと思われます。
しかし、生物学的分類と実際の宝石サンゴの色彩が、必ずしも一致するとは限りません。
珊瑚採取船で、深度250〜300mほどの海底から引き上げた「アカサンゴ」の原木を、宝石として流通させるために加工(切断や研磨)して赤珊瑚の拝見に仕上げた場合、一本の原木と言えども、赤には深みのある赤から、鮮やかな赤、そして枝先のピンク、白色まで、グラデーションになっています。
また、深海で育つため、モモイロサンゴより硬く、骨片が小さく密なため透明感もあります。
この枝先の白い部分を切り取って、長年さんご販売に携わってきた珊瑚の店員さんに尋ねても、まず、見分けることはできないでしょう。
密漁船の影響もあり、土佐沖のアカサンゴの貴重価値が、ますます見直されているようです。
なお、下の写真は、「アカサンゴ」を球形に加工したものを、色彩順に並べたものです。
サンゴ業界には、まだ統一された「カラーグレード規定」はありませんが、「アカサンゴの色が濃いもの」とされているのは、
左から3番目くらいまでです。これらの色の濃い3つくらいを「Aカラー」と呼ぶことがあります。
そして、Aカラーの中で、特に色の濃いものを「スリーA(AAA)」、次を「ツーA(AA)」、次を「A(A)」と呼ぶこともあります。
(資料写真提供:有限会社三水、江川和利さん)
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